― 瀬戸内寂聴さんが開眼した石仏と、静かな祈り ―
香川県高松市・屋島の麓にある「四国村」。
古民家や蔵が点在する静かな山の麓を歩くと、風の音とともに時の流れがゆるやかになります。
その中にある小さなお堂「遊庵(ゆうあん)」の前には、彫刻家・流政之氏の石仏が佇んでいます。
この仏様は、瀬戸内寂聴さんが開眼供養をされたもの。
柔らかな表情の中に、人の悲しみや祈りを包み込むような優しさがありました。
お堂の前に立つと、不思議と心のざわめきが静まり、「今ここにいる」という感覚が深まります。
まるで、言葉にできない思いを受けとめてくれるような、あたたかな気に満ちた場所でした。
この「遊庵」は、かつて旅人が道中に休み、祈りを捧げた茶堂を再現したもの。
現代を生きる私たちにとっても、立ち止まり、自分を見つめ直すための“心の休憩所”のように感じます。
静かな時間を過ごしながら、「祈りは日常の中にある」という寂聴さんの教えが自然と心に響きました。
屋島の風とともに、穏やかな癒しを感じられる場所です。
 
  
 
 




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